さよならだね。
「ごめんなさい。」
あたしが謝ると、愁くんは黙って頭をなでてくれる。
「あたし、愁くんがみんなのこと考えて黙ってたなんて知らないで、勝手に、隠しごとされてたって思って、あたしだけ何も知らなかったのが、一人だけのけ者みたいで悲しくて。ほんと、ごめんなさい。」
「もう謝らなくていいから。俺も考えが足りてなかった。ごめんな。」
愁くんは本当に優しい。
何も悪くないのに謝ってくれる。
あたしが子どもだっただけなのに。
いっつもそう。
あたしが子どもで、一人で怒ったりすねたり、ヤキモチ妬いたり、、
それなのに愁くんが謝ってくれる。
本当に申し訳なくて、こんな自分が恥ずかしい。
「機嫌直った?」
「うん。愁くんこそ、怒ってない?あたしが責めたりして。」
「怒ってはないけど、傷ついた。ゆらに信じてもらえてない気がして。だから、ゆらがちゅーしてくれないと、心の傷が治らない。」
「もう!なに言ってるの〜!」
愁くんはいたずらっ子の目をしている。