さよならだね。



ああ、、もういっか、、

そう思って愁くんに全部あずけてしまいそうになるけど、、




「だっ、だめ!、、んっ、愁くん!」


必死に愁くんの腕の中から抜け出す。


「なんで逃げんの。」


ちょっと不機嫌になる愁くん。




「料理できたばっかりなの!あったかいうちに食べよう?」


「やだ。ゆら食べる。」


すねた顔してそんなこと言っちゃう愁くん。


あたしはすごいドキドキしちゃって、また愁くんに負けそうになるけど、だめだめ、ツリーも見せたいし。




「お預けくらった犬の気分。」


いまだに不服そうな愁くんがかわいいけど、


「あとでね。」


あたしはそう言って愁くんの手を引いてリビングに行く。



「いまの言葉忘れんなよ。」


「えっ?」


「あとでどうなっても知らないからな。」


そう不敵な笑みを浮かべる愁くんにさえ、あたしの胸はキュンって高鳴る。




リビングに入ると、キラキラ光るツリーに、並べられた豪華な料理。


「すげー。なにこれ、全部ゆらがやったの?」


「うん!今日はクリスマスだから、いつもより頑張ったんだ〜!」



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