さよならだね。
ある程度食べ終わった頃、
「愁くんもうお腹いっぱい?」
「ん?もうちょい食えるけど、なんで?」
「ふふふ、ちょっと待っててね!」
あたしはパタパタとキッチンに向かい、冷蔵庫の中からある物を取り出す。
「じゃーん!クリスマスケーキだよ!」
「すげー!これもゆらが作ったの?」
「そうだよ〜!」
今日、愁くんちに来る前、朝から自分ちで作ってきたの。
甘いものがあんまり得意じゃない愁くんのために、甘さを抑えたフルーツタルトに挑戦した。
キラキラした目でケーキを見る愁くん。
「すげー!うまそー!」
って感動してくれてる。
「食べれそう?」
「食う!」
即答してくれる愁くんがかわいくて、あたしはニヤニヤしながらケーキを切った。
切ってる間も、
「切るのもったいないぐらいきれい!」
なんて言ってくれちゃう。