さよならだね。



「はい、どうぞ〜。」


切り分けたタルトをお皿にのせ、フォークをつけて愁くんに渡すと、パクッと一口食べて、


「うまい!甘さちょうどいい!やっぱゆら天才!」


そう言ってあたしの頭をなでる。




「よかった〜!愁くんのために甘さ控えめにしてみたんだ〜!」


「ありがと。」


そのあとも、うまいうまいって言いながら食べてくれた。

結局一人で半分くらい食べてくれて、明日も食べるって言って残りを大事そうに冷蔵庫にしまってくれる。




いつものように食器片付けるのも手伝ってくれて、食後のコーヒーを淹れて、2人でソファでのんびりする。



「何見てんの〜。」


スマホを触っていたら、愁くんが横からべったりくっついてくる。


「なんでもないよ?」


「さっきからスマホばっか触って、俺のことほったらかしてる。」


「ごめんごめん。」



かわいいな〜って思って、愁くんの頭をちょっとなでてみる。



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