さよならだね。



「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる。」


あたしがそう言って立ち上がると、


「1分で戻ってきて〜。」


なんて言って、あたしの服の裾を掴む愁くん。



そんなかわいい愁くんに、無理だよ〜って笑いながら、あたしはリビングを出た。




よし!急がなきゃ!


あたしが慌てて向かったのは、トイレじゃなくて脱衣所。

そこであらかじめ準備して隠していた、サンタさんのコスプレの服に着替える。


へへっ、
愁くんびっくりするだろうな〜




そんなことを考えながら着替え、サンタさんの帽子を被って鏡でパッとチェック。

一緒に隠していたプレゼントを持ち、音を立てないように気をつけながら、あたしはそっと玄関から外に出る。



、、ピンポーン。


愁くんを呼び出すため、ピンポンを鳴らした。



インターホンから愁くんの声がする。


あたしはインターホンに映らないようにしゃがみ、

「愁く〜ん。サンタさんがプレゼント持ってきてくれたよ〜。」

なんて言う。



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