さよならだね。



美奈の両親も同じ考えだった。



相手も同い年の大学生、お互いの将来のためにも、この子は諦めなさい、と。




でも、美奈は、、



「あたし、、産みたいの。確かに大変なことばっかりで、この子を一人で育てていけるかわからない。でも、でもこの子を殺すなんてあたしにはできないよ!!」


「美奈、、本気なの?」


優華が聞くと、美奈は黙ってうなづいた。




「この前も産婦人科行ったんだけど、もう、いま3ヶ月なんだ。この中で、必死に生きてるの。赤ちゃん。」


そう言って美奈はお腹をさすった。



「美奈、、」


あたしは涙が止まらなかった。


辛いのは美奈なのに、、

あたしが泣いちゃだめなのに、、




「もぉ〜なんでゆらが泣くの〜!」


今度は逆に、美奈があたしの背中をさすってくれる。



美奈は、両親は自分が説得する、相手にはお金も何も求めないから産ませてほしいと頼む、そう言った。



< 212 / 444 >

この作品をシェア

pagetop