さよならだね。
「美奈ちゃんが辛いとき、そっとそばにいて抱きしめてあげればいい。美奈ちゃんが幸せなとき、隣で一緒に笑い合ってあげればいい。」
愁くん、、
本当に愁くんは素敵な人。
あたしよりも大人で、優しい、大きな人。
「うん、そうだね。」
あたしは愁くんに微笑み返す。
愁くんはあたしのおでこにキスをくれた。
そして夜景に視線を戻し、あたしの肩を抱く手にぎゅっと力を込めた。
本当に優しいよ愁くん。
あたしの心の中が読めちゃうの?
いつもの愁くんなら、おでこにキスで済むはずがない。
あたしがそういう気分になれないって、わかってくれてるのかな?
美奈のことがあって、いまはどうしてもエッチする気にはなれない。
でもね、愁くんは避妊しなかったことなんて一度もない。
美奈の話を聞いて思ったの。
そういうこと、ちゃんとしない男の人が結構いるんだってこと。
そういう理由で、望まない妊娠をしてしまう女の子も少なくない。