さよならだね。



荷物の整理をしていて、ちょっと愁くんをほったらかしてたら、


「ゆら〜、聞いてんの?入ろうってば〜。」


愁くんが後ろから抱きついてくる。



「ゆらの匂いがする〜。」


なんて言って、愁くんはあたしの首元に顔をうずめる。




「一緒になんて入れないよ〜。愁くん先入ってきて?」


いつも一緒にお風呂入ろうって言われるから、この旅行を機にって思ってたけど、いざとなるとやっぱり恥ずかしい。




「やだ。一緒に入る〜。」


「だって恥ずかしいだもん。」


「何が恥ずかしいんだよ〜。もう俺ゆらの裸何回も見てるんだけど?」


「そうだけど〜。それとこれとは別なの!」



何度断っても、やだやだ〜ってだだをこねて諦めない愁くん。




「ああ〜もう!わかったよ。一緒に入るよ。」


「っしゃあ〜!早く入ろ!早く早く〜!」



諦めて一緒に入ると言った途端、愁くんはあたしの手を引っ張ってく。



「愁くん待って!あたしが先に中に入るから、あたしがお風呂に浸かったら愁くん入ってきて?」



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