さよならだね。
そう。
美奈の赤ちゃんは女の子。
母と娘、友達みたいな仲の良い親子になりたいって、美奈が言ってたんだ。
「それいいね〜!あ!優華見て!この靴下めっちゃかわいいよ〜!」
「ゆら!このよだれかけもやばい!」
あたしと優華は、2人できゃーきゃー言いながら、ピンクの洋服に、セット物のさくらんぼ柄の靴下とよだれかけを買った。
そのあと、それぞれ愁くんと原口さんへのプレゼントも無事決まり、ちょっと遅めのランチをしに、お気に入りのイタリアンのお店へ。
「あたしも子どもほしくなっちゃったな〜。」
運ばれてきたデザートを、スプーンでつんつんしながら優華がつぶやいた。
「意外!ずっと優華は、子どもにあんまり興味ないって感じだったのに。」
「まあね〜。そりゃいつかは欲しいくらいだったけど、美奈見てたらさ、単純にいいな〜って思った。」
「そうだよね〜。美奈、大変そうだけどやっぱり幸せそうだもんね。でも、原口さんに出会ったってのもあるんじゃない?」
あたしにはわかるんだ。
優華は、いままでもそれなりに彼氏もいたし、恋だって普通にしてた。
でも、いつもどこか波乱万丈って感じで。
こんなに落ち着いた、安定感のある恋愛してるのは初めてなんだ。
「それもあるかも。初めてなんだよね〜、こんなに将来を考えれる恋愛。いままでのはさ、好きは好きだけど、どこか冷めてるとこもあって。この人との結婚はないな〜って感じだった。」
「原口さんとは、考えてる?結婚したいって。」
「うん。あたしだけだろうけどね。海斗となら、結婚しても幸せそうだな〜って思う。結婚してからの妄想とか、しちゃったりするんだよね。」
そう言って、恥ずかしそうに笑う優華は、すごくきれいだった。