さよならだね。
「愁とゆらちゃんも来てたのか〜。」
そう言って原口さんは、よっと愁くんの肩を叩いた。
「ゆらも、美奈と赤ちゃんのことが気になってたんでしょ?」
「えっ、うん。優華も?」
「うん。やっぱりちゃんと赤ちゃんが見たくてね。美奈も心配だし。そしたら海斗が、会いに行こうって言ってくれて。」
「あたしと同じだ〜!」
優華が、あたしの耳元でこっそり言った。
お互い良い人見つけたね、って。
本当にその通りだと思った。
こんな優しい人、なかなかいないよね?
「さっ、早く行こ!面会時間が終わっちゃう!」
優華に腕を引かれ、美奈の病室に向かう。
あたし達の少し後ろを、愁くんと原口さんが2人で話しながらついてくる。
愁くんの手には、さっき寄ってきたケーキ屋さんの箱。
そして原口さんの手には、綺麗な花束があった。
本当に、2人とも素敵な人だと改めて感じた。