さよならだね。
「愁くん、食欲ある?薬飲む前に、少しは何か食べないと。」
「ん。スープがいい。」
「わかった。持ってくるね。」
あたしはスープを器によそって、ソファーの前のローテーブルに置く。
「熱いから気をつけてね。」
そう言って、愁くんにスプーンを差し出すけど、愁くんは受け取ってくれない。
「愁くん?どうしたの?」
「食べさせて。」
「えっ?」
「ゆらが食べさせてよ。」
それって、、
あたしがフーフーして、あーんって食べさせるってこと??
、、なんかちょっと恥ずかしい。
「ゆら、早く。」
「じ、自分で食べて〜!」
「無理、体がだるくて食べれない。食べないと薬飲めないんだろ?だからゆらが食べさせて。」
「そんな〜、、」
愁くんは全然引く気がない。
あたしはスプーンでスープをすくい、フーフーと息を吹きかけ、愁くんの口元へと運ぶ。
愁くんは素直に口を開け、スープを口にする。
「うまい。」
「よ、よかった。」
それからも、器のスープが無くなるまで、あたしは愁くんに食べさせ続けた。