さよならだね。



「はい、風邪薬。効くといいんだけど。」



あたしは愁くんに、お水とさっき買ってきた風邪薬を渡す。



なのに、愁くんはまた受け取ろうとしない。





「愁くん?」


「飲ませてよ。」



やっぱり〜〜〜!!

もう、、言うと思ったよ〜〜



「ど、どうやって?」


「口うつし。」



でた〜〜〜!!

漫画とかでよくやってるやつ!!


でもそんなのできっこない。





「さすがに無理だよ〜。早く自分で飲んで。」


「やだ。薬嫌い。」



子どもか!!!

でもそれもかわいい、、


いやいや、だからって口移しとか絶対無理!!




「ははっ、冗談だよ。ゆら面白すぎ。」


「へっ?冗談?」



愁くんは、あたしの手からコップと薬を取ると、普通に自分で飲んだ。


な、なんだ、、

冗談だったのか、、




「ん?なに?本当は口移ししたかった?」



愁くんはすっかりいたずらっ子の顔。



「そっ、そんなわけないでしょ!」


「だってゆら、残念そうな顔してる。」


「し、してない!!」



あたしは慌てて、スープの器とお水のコップを持って、キッチンへと逃げ込んだ。


そんなあたしを見て、愁くんはクスクス笑う。



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