さよならだね。



「愁くん?」


「ゆらの反応がいちいちかわいいから。だからいじわるしたくなるんだよ。」



目を見てそんなこと言われたら、あたしはまた赤くなっちゃうよ。


そんな真っ直ぐに見られたら、、





「ほら。また赤くなる。」


赤くなっちゃうあたしを見て、またケラケラ笑ってる。



「じゃあ、今のもいじわるだったの?」


「ん?」


「いま言ったこと。」



あたしは恥ずかしくて、かわいいって言ってくれたことって、はっきり言えない。


きっと愁くんは、それもわかってて。




「いま言ったこと?なに?」


わかってるくせにわざと聞いてくる。



「いま愁くんが言ったことだよ〜。」


「だからなんて言ったの?俺が。」


「か、かわいいって言ってくれたこと!」



あたしが頑張って言ったのに、ますます楽しそうに笑う愁くん。





「確かにいじわるで言ったけど、それは本当のこと。俺のちょっとした言葉や動きで、いちいち赤くなったりするゆらが、かわいくてしょうがない。」




ああ、やっぱり愁くんはずるい。



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