さよならだね。



いままでふざけてからかってたのに、そういうこと言うときは、すごく真剣な顔になる。



だから、あたしはいつも、愁くんといるとドキドキが止まらないんだよ。



寿命が縮まっちゃうんじゃないか、ってくらい心臓がうるさくなるんだから。





「ゆら。チョコは?」


「えっ?チョコって、、」



チョコって、、チョコ??


えっ、チョコ、、




「あー!!」


「もしかして、バレンタインって忘れてた?」




すっかり忘れてた。


バレンタインは覚えてて、ちゃんと朝から作ったんだけど、慌てて飛び出してきたから、家に置いたまんまだ。




「作ってたんだけど、家に忘れてきちゃった。」


「さすがゆらだな。」



また笑う愁くん。




「だって!愁くんが心配で、すごい急いで出てきちゃったんだもん。ごめんね?」


「ううん、今度でいいよ。ありがとな。」



そう言って、ぎゅっと抱きしめてくれる。




「チョコよりゆらがいい。」


「もう!!」


そんなことをさらっと言っちゃう。


あたしはまたドキドキしちゃうんだよ。



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