さよならだね。
自分がこんな風になるなんて想像してなかった。
俺が、こんなに恋愛にのめり込むなんて。
彼女が中心で、彼女がこんなに大切だなんて、
ゆらに出会ったから、俺はこんな恋愛ができるようになったんだ。
ゆらじゃなかったら、こんな気持ちになれなかった。絶対。
後部座席に置いたカバンの中にある、小さな箱に入ったプレゼント。
俺にとっても、ゆらにとっても、
今日は特別な日になるんだ。
どうやって伝えるか、どうやって切り出すか、そんなことを考えていたせいで寝不足。
でもそんな寝不足の気だるささえ、いまは幸せに感じてしまう。
ゆらはどんな顔するだろう。
どんな反応するだろう。
そう考えると、楽しみでもあるし、やっぱりちょっと不安にもなる。
俺は今日、
ゆらにプロポーズするんだ。
そのための指輪が、俺のカバンにひそんでる。
見た瞬間、これだ!って思った婚約指輪。
ゆらのイメージにぴったりの指輪。
ゆらは受け取ってくれるだろうか、、。
もし断られたら、俺、、
なんてな。
そんな不吉なことは考えないようにしよう。