さよならだね。
行き先を伝えると、運転手さんにティッシュを渡された。
「大丈夫ですか?ティッシュしかないけど、使ってください。安全運転で急ぎますから。」
「ありがとうございます。」
ティッシュを受け取り、窓の外を見ようとして気づいた。
窓に映るあたしは、涙でぐちゃぐちゃだった。
いつの間に、、
涙が溢れることさえ気づかないほど、、
原口さんからの電話。
あたしは、息が止まってしまいそうだった。
「愁が事故にあった。詳しいことは俺もわからないけど、意識不明の重体で、いま救急車で運ばれてるらしい。愁のお母さんから、いま俺に電話がきて、俺もいまから病院向かうから、ゆらちゃんも急いで。」
愁くん、、、
うそだよね?
大丈夫だよね?愁くん。
なに?これは悪い夢なの?
あたしはまだ信じられなくて、、
でも、涙が勝手に溢れてきて止まらない。
愁くん、愁くん、、、
何度も心の中で愁くんの名前を呼んだ。