さよならだね。
「ゆらちゃん!」
病院の救急外来に着くと、原口さんが入り口で待っていてくれた。
救急外来、、、
ここに来て、やっと、本当に愁くんが事故にあったんだとわかった。
「いま手術中だから。」
原口さんの言葉にうなづくことしかできない。
原口さんに案内され、手術室の前に来ると、手術中と光る文字が見えた。
「ゆら!!」
「優、、華、?」
手術室の前のベンチに優華が座っていた。
優華はあたしを見ると、ぎゅっとあたしを抱きしめる。
「海斗と一緒にいたときに、電話があって。」
優華が話してるけど、全然あたしの耳には入ってこない。
あたしは手術室のドアを見つめる。
愁くん?
そこにいるの?
愁くん、、やだよ、、
死んだりしないよね?
あたしを一人にしないでよ、、
愁くん、、
愁くん、、
何も話せず、ただただ涙を流すあたしの肩を、優華がずっと抱きよせてさすってくれる。
でも、ありがとうの一言さえ言えなかった。