さよならだね。
「ゆらちゃん、愁は絶対大丈夫だよ。あいつ、昔っからしぶといからさ。だから、俺たちが信じて待とう。ね?」
原口さんが、あたしの背中をトントンと優しく叩いてくれた。
あたしはうなづき、3人でベンチに並んで座る。
2人があたしを挟んで座ってくれて、優華はあたしの手をずっと握ってくれて、原口さんが背中をさすってくれていた。
どれくらいの時間が経っただろう。
手術中の文字がパッと消え、ドアが開いた。
中から、お医者さんらしき人が出てきた。
「立花さんのご家族の方ですか?」
「いえ、家族は県外にいるので、まだこっちに向かってる途中だと思います。俺たちは友達というか。でも、家族が着くまでのことは俺が頼まれてますので。」
すごいな、原口さん。
冷静に受け答えをしている。
お医者さんの説明は、少しホッとしたけど、決して喜ばしいものではなかった。
「手術は成功です。どうにか一命は取り留めました。しかし、事故の衝撃がひどく、とくに頭に大きなダメージを受けています。今日から2、3日は危険な状態が続きます。ここを乗り越えれば、命に別状はないと思われますが、その後意識が戻るか、はっきり言えない状態です。」
2、3日は命の危険がある。
それを乗り越えても、意識が戻るかはまだわからない。
そんな、、、
愁くん、、、
そんなのやだよ、、、