さよならだね。
ほらね。
愁くんを悩ませてしまっている。
あたしの存在が。
あたしは、このまま愁くんの記憶から、消えてしまった方がいいのだろうか?
そんな考えが頭をよぎる。
「本当に、ただの知り合いなんです。だから、あんまり気にしないでください。」
「でも、そういうわけには。」
不安そうな愁くんの顔。
そんな顔が、見たいわけじゃないのに。
「じゃあ、、もし記憶が戻ったら、全部思い出したら、何かおいしいものでも食べに連れてってください!」
「えっ?」
「だめですか?」
あたしがそんなことを言うと、
「はははっ!ゆらちゃんって、なんかおもしろい子だね。」
そう言って、愁くんが笑ったんだ。
あの、いつもの優しい笑顔で、、。
久しぶりに見る、愁くんの優しい笑顔に、あたしは胸がキュンとする。
嬉しくて、泣いちゃいそうになる。
やっぱり、、
あたしは愁くんが大好きだ。
このまま、愁くんの前から消えるなんて、そんなこと出来るはずない。
あたしの体中の細胞が、
あたしの心が、
こんなにも、愁くんが好きだ〜!って叫んでる。
、、離れられるはずがない。