さよならだね。



日曜日。



原口さんが優華と迎えに来てくれて、花屋に寄り、かすみ草の花束を買ってから、病院へと向かう。




花束を抱いた。



愁くん、、


大好きだよ。


まだこんなに愛してる。



だから、愁くんの幸せを願うよ、、。


幸せになってね、愁くん。




あたしは、かすみ草に願いを込める。





あたしが見た夢。



かすみ草畑の中で、手をつないでいる親子3人。




あれは、あたしたちじゃなかったんだね。



あたしと愁くん、、


そして、あたしたちの子ども、、


そう信じてたんだけどね、、。






「ゆらちゃん、、本当にこれでいいの?」



前を向いたまま、原口さんが聞いた。



「はい。いいんです。これで。」


「そう。」



原口さんは、それ以上何も言わなかった。





あっという間に病院につく。



まだ、、ついてほしくなかった。


こんなに近かった?病院。





原口さんがノックする。



いつもより、少し上ずった愁くんの声がした。




かわいいな、、愁くん。


告白を前に、緊張してるの、、?


本当に好きなんだね、、香織さんのこと。




あたしは意を決して、原口さんと優華に続き、病室に足を踏み入れた。



これで最後。


しっかりと、愁くんを心にしまっていこう。



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