さよならだね。
「悪い。海斗の彼女?」
俺がそう言った瞬間、、
海斗や、その女の子の顔が、一瞬にして引きつった。
「違うだろ、、愁、、ゆらちゃんだろ、、?」
海斗のこんな顔は初めて見た。
なんだ、、?なんなんだよ、、
この子は、誰なんだよ、、
それから海斗が、おふくろに医者を呼ぶように言い、医者が来て、いろいろと質問された。
なんでそんなこと、わざわざ聞くんだっていうような、わかりきった質問もあれば、、
なんのこと言ってんだ?って、全然わからない質問もあった。
その結果、、俺は、大学時代からの記憶を、失ってしまっていた。
、、嘘だろ?
俺が、記憶喪失?
こんなの、ドラマの中の話だと思ってた。
いまにも泣きそうな、そのゆらちゃんって子。
なんでだ?
なんで泣くんだ?
「愁、、ゆらちゃんはな、、ゆらちゃんは、お前の、、」
海斗が何か言いかけたとき、ゆらちゃんはそれを拒み、俺や両親に頭を下げて、病室を飛び出して行った。
それを追いかけて、海斗やもう一人の女の子も、慌てて病室をあとにした。