さよならだね。



優華は、原口さんと愁くんのところに行くって言ってたっけ。


愁くん、いま車がないから、原口さんが迎えに行くことになったらしい。




もうそろそろだろうな、、



あたしの部屋にある、お気に入りのかけ時計を見た。





それから、気を紛らわせるように、あたしはエントリーシートを書いたり、入社試験の勉強をしたりした。



優華と頑張っている就活。


優華は、英語が得意だから、それを活かせる仕事に就きたいと言っていた。



あたしは、まだはっきりわからない。


自分が何をしたいのか、自分には何が向いているのか、いまいちピンとこなかった。



ただ、周りに遅れないように、ひたすら就活ってものをしてみる、そんな感じだった。






気づくと、窓から夕日が差し込んでいた。



もうそんな時間か、、



ずっと机に向かっていたせいで、こわっている背中をうんと伸ばす。




ちょうどそのとき、優華からの着信。



「もしもし?ゆら?いまどこ?」



あたしが電話に出た途端、急いでいるような、焦っているような、優華のせっかちな感じ。



「どこって、家にいるけど。」


「家ね?わかった!」



それだけ聞くと、すぐに電話は切られた。




なんだろう、、?


優華、何かあったのかな?



< 337 / 444 >

この作品をシェア

pagetop