さよならだね。



「ゆらは?」


「うん、あたしも結婚とか子どもとか、やっぱりいいな〜って思ってた。でも、いまはそうでもないかも。」


「え?ゆら、結婚しないの〜?」




結婚しない、とか


子どもはいらない、とか


そんな風には思わない。



でも、、




「結婚もしたいし、子どもも欲しいけど、なんかいまは、それだけじゃないなって思うんだよね。」





今回のことがあって、ちょっとだけ変わったの。



もちろん、愁くんとの結婚にも憧れるし、愁くんとの子どもだって欲しいって思う。


それは付き合い始めた頃から、そうなったらいいな〜って、ずっと願ってたこと。



でも、いまは、愁くんさえいてくれれば、それだけで十分なんじゃないかと思う。


愁くんといれれば幸せ。



これ以上を望むなんて、欲張りな気がする。





それに、就活を始めて考えてたこともある。



どんな仕事に就こうかと考えるとき、やっぱりどこかで、一生続けるわけじゃないって、思ってしまってる自分がいた。



女の人は、結婚して子どもが出来たら、どんな形であれ、どのくらいの期間であれ、一度は仕事を離れる。


そう思ったら、それを言い訳に甘えてしまっている自分がいたんだ。



そんな自分が情けなかった。



逃げ道を作っているみたいで、、


結婚や出産を理由に、仕事を軽く考えたくなかった。



そんな生半可な気持ちで、なんとなくどこかに就職して、なんとなく仕事を続けて、、



そんな人生は、絶対に嫌だって思った。



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