さよならだね。



「そっか。やっと見つかったな、ゆらの道。」


「うん!いまも、募集要項とか調べてたんだ!」


「えらいじゃん。頑張れよ。」



そう言って、あたしの頭をよしよしってなでてくれる。





それから、幸ちゃんの話をした。



産まれた次の日、愁くんも幸ちゃんには会ってるけど、もちろんその記憶もなくて、、


友達の赤ちゃんなんだ〜って、写メを見せながら話したんだ。




「かわいいな。こっちまで笑顔になる。」


「でしょでしょ?本当にかわいいの!幸ちゃん抱っこするの、優華とずっと取り合いしてたんだよ〜。」


「ははっ。子ども好きなんだな、ゆら。」


「うん!愁くんは?子ども好き?」


「好きだけど、あんまりなついてもらえないんだよなー、いつも。」



困ったように笑う愁くん。




あ、、

前にも言ってたな、これ。



抱っことかすると、すぐ泣かれちゃうんだって。


そんな愁くんを想像して、なんだかおかしくて笑っちゃったんだよね。




新しい一歩を踏み出して、あたしたちの関係も新しいものになった気がしてるけど、


でも、愁くんが新しく変わってしまったわけではなくて、


愁くんは、やっぱり愁くんなんだよね。



何も変わってない。



優しくて、かっこよくて、大人で、頼りになる。


でも、たまにかわいくて、たまに甘えん坊で、、



あたしの大好きな愁くんのまま。



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