さよならだね。
ああ、、ダメだ。
机に向かって5分しか経ってないのに、全然集中力が続かない。
、、愁くんの声が聞きたい。
普段、仕事の邪魔になるかなって思って、あたしからはあんまり電話しないけど、いまはどうしても愁くんの声が聞きたかった。
一言でもいい。
愁くんの声を聞いて、落ち着きたかった。
今日も残業だって言ってたし、まだ会社にいるのかな?
あたしは愁くんに電話をかけた。
、、かけなければよかったんだ。
普段しないことなんてするから、こんなことになるんだ。
「もしもし、愁くん?」
「ん、どした?なんかあった?」
「ううん、何もないよ。ちょっと声が聞きたかったの。愁くん、外にいるの?」
電話から聞こえてくる愁くんの声の後ろでは、なんだかざわざわしてるようだった。
「ああ、いま会社の人達と飯食ってて、、」
何かおかしい。
根拠もないけど、あたしはそう思った。
愁くんの声が、慌ててるみたいに聞こえたから。
「そっか。邪魔しちゃったよね、ごめんね。」
「そんなことないよ。」
すぐに切ればよかった。
愁くんの声が聞けたんだから、すぐに切れば、、