さよならだね。



「愁くん!これ見て〜!あれ?電話してるの?」



突然、電話の向こうから聞こえた声。



、、女の人の声。



会社に女の人がいるのはわかってるけど、、





、、違う。



あたしも聞き覚えのある声。



あたしと同じように、愁くんって呼ぶ人。


高すぎないけど、かわいらしい声で、、





あたしは、気づいたら電話を切っていた。




ねぇ、愁くん、、


なんで会社の人となんて嘘つくの?



いまの声は絶対、、



香織さん。




なんで香織さんと会ってるの?


いまでも連絡とってたの?



連絡とらないで、なんて、そんなこと言えない。



でも、なんで香織さんと会うって、前もって言ってくれなかったの?


言えないわけでもあるの?




こんなこと初めてで、、



あたしは胸が張り裂けそうだった。



どろどろとした、汚い感情が、あたしの心を埋め尽くしていく。



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