さよならだね。



「で?それだけじゃないでしょ?ゆらが泣いてる理由は。」



さすが優華。


なんでもお見通しなんだ。


言わなくても伝わる。





「うん、就活でね、なんか、疲れちゃって。」


「あたしも。やる気はあるんだけどさ、なんかゴールが見えないっていうか、息苦しくなってきたよね。」


「そうそう!」




本当にやる気はあるんだよ。



頑張らなきゃって思うし、頑張りたいっても思うの。


でも、気持ちだけが先走って、なんか疲れちゃうんだよね。



それに、なんか漠然とした不安みたいなものがあって、、


本当にあたしはこれで大丈夫なのかなって、いまさら悩んでしまったり、


周りの人と自分を比べてしまって、劣等感みたいなものを感じたり、



内定までの道のりが長くて、、



途中で息切れしてしまってるんだよね。




でも、息切れしてる暇なんてないんだぞ!って、なんだか焦っちゃって、、



一人で空回りしちゃってる。





「わかるわかる。はぁ、でもこれが就活なんだね〜。みんなここを経て、社会人になるんだもんね〜。ゆらもあたしも、来年の今頃はもう、社会人になってるんだね。」


「すごいよね、みんな。実際に経験してみて、本当尊敬するよ。自分が社会人なんて、やっぱりまだ考えられないな〜。」




本当に想像もつかない。


1年後は、自分も社会人の仲間入りをして、仕事をしているんだもんね。


大丈夫なのかな、あたし。


ちゃんと働けてるのかな?




大人になるって、大変なんだね。



昔はよく、早く大人になりたい、なんて言ってたけど、、



実際にこの立場に立ってみると、このまま大人になんてなりたくないって思う。



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