さよならだね。



「見つけたんだ。この前、部屋で。」


「何を?」


「ゆらとの思い出。」


「えっ、、?」




あたしとの、、思い出?


愁くんの部屋でって、、


何を見たの?



プラネタリウムの機械は普通に置いてあるけど、それは話をうまくごまかしたし、愁くんの部屋に何枚かあったあたしの着替えも、バレないうちに持って帰った。



あたしに関係するもの、、何か残ってた?





「クローゼットの中にあったんだ。大事にしまってあった。きっと、記憶をなくす前の俺が、大切にしまっておいたんだと思う。」


「何が、あったの?」


「いろんなものがあった。たくさんの写真や、その写真に映ってる、ゆらからもらったプレゼントとかの箱、小さなクリスマスツリー。それに、ゆらの書いた置き手紙みたいな数枚のメモ。」





うそ、、


愁くん、、全部取ってたの、、?




写真はたぶんあたしが焼き回したものだけど、恥ずかしいって言って、絶対部屋に飾ったりはしなかった愁くん。



愁くんの誕生日やクリスマス、バレンタインとかであげたプレゼントの箱、全部取っといてくれたの?



あたしがサプライズで飾ったクリスマスツリーも、大事にしまってくれてたの?



メモって、、


ご飯作っといたから温めて食べてね、とか

愁くんまだ寝てるから、先に出ちゃうね、とか

洗濯物干しといたから、帰ってきたらちゃんと取り込んどいてね、とか


そんな短い、なんでもないような、あのメモたちのこと?




そんなのも全部、、


大事に取っておいてくれてたの?



あたしも初めて知る、、


愁くんの愛。



愁くんのバカ。


ずるいよ、そんなの。



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