さよならだね。



本当に、何よりも、あたしのことを大事にしてくれた。


そんな愛がすごく伝わってきて、あたしはすごく幸せだった。



こんなに幸せでいいの?って、不安になるくらい幸せで、、


こんな風に、女性関係でもめちゃうなんて、想像もしてなかった。




もちろん、いまだって幸せだよ。


愁くんの隣にいれるから。


愁くんが隣にいてくれるから。




でもね、前の愁くんなら、絶対にこんな嘘はつかなかった。


こんな隠しごとしなかった。



確かに、そう思う。






「ゆら、俺、もうわからない。ゆらのことが好きだ。ゆらと一緒にいれて幸せだよ。でも、俺は前みたいに、ゆらのこと幸せにできてる?前の俺と同じくらい、ゆらのこと大事にできてる?」




愁くん、、


そんな目で見ないで、、



苦しいよ。





「ゆら、、少し、距離を置きたい。」




ああ、やっぱり、、



やっぱり愁くんが遠いよ。



愁くんの心が迷子になってるよ。


どこにも見当たらないよ。





「ゆらのこと好きだって思って、突っ走ってた。記憶がなくても、ゆらといる今を大切にしようって思った。でも、このままじゃ俺、ゆらを幸せにできない。」


「そんなこと、、」


「それになにより、自分が辛いんだ。前の俺と比べちゃって、今の自分がどんどん嫌になる。」




ああ、、


気づかないうちに、あたしはまた愁くんを苦しめていたんだね。



< 369 / 444 >

この作品をシェア

pagetop