さよならだね。



「ごめんな、ゆら。少し時間が欲しい。」


「わかった。愁くんがそうしたいなら。」


「さんきゅ。」





また、さよならなんだね。



今度こそ、もう二度と、愁くんとは離れないって思ったんだけどな。



やっと、やっと愁くんが戻ってきてくれた。


そう思ってたのに。



まさか、こんなにもすぐさよならだなんて。




でも、愁くんに辛い思いしてほしくない。


愁くんが自分を責めて、自分が嫌いになるなんて、そんな悲しいことしてほしくない。



だから、受け入れる。



あたしは愁くんといたいけど、離れたくなんてないけど、、


愁くんのためなら。



あたしは、さよならを受け入れるよ。





「待ってろなんて言えない。でも、俺はゆらが好きだってこと、忘れないで。ゆらを大事にしたい、ゆらを幸せにしたい、だから離れる。それだけは覚えといて。」


「うん。」


「自分勝手でごめんな。」




お互い好きなのに、どうして離れなきゃいけないんだろう。



別れるって、どちらかに気持ちがなくなってしまうからだと思ってた。


一度は愛した人を嫌いになる、それももちろん悲しいことだけど、、



愛し合ってるのに別れる。



それがこんなに苦しいなんて、、




あたしは初めて知ったよ。



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