さよならだね。



香織と飯食いに行ってたとき、ゆらからの電話があった。



ちょうど香織がトイレに行ってて、その場にいなかったから、俺はその電話に出たんだ。



いま思えば、出るべきではなかった。


このことを隠し通すなら、きちんと最後まで隠し通すべきだったから。



しかも、俺はゆらに嘘をついた。


香織といることを、隠したんだ。



俺は、全てが中途半端だった。





ゆらとの通話中、トイレから戻ってきた香織が、少し大きな声で俺に話しかけた。



まずい、と思ったときにはもう遅くて、何も言わずにゆらが電話を切った。




俺は、後悔した。



ああ、またゆらを悲しませてしまった、、


そう思った。




香織に何度も謝り、すぐに店を出て、ゆらの家に向かった。



ゆらに全部話して謝りたかった。




それと、ここ数日考えていた答えが、俺の中で決まったから。



いまの自分の後悔で、やっと決心がついたから。



ゆらに、直接会って話さなきゃいけなかった。




俺の、身勝手な答え。


でもいまはこれしかない。



ごめんな、ゆら。



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