さよならだね。



俺はゆらを高台に連れて行った。



ここはたぶん、俺とゆらの、大事な場所だったと思ったから。




さっき俺が決心したこと、、



それを悩み始めた数日前、見つけたんだ。




部屋のクローゼットの奥に、大事そうにしまってあった箱。


見覚えがなくて、中身が気になって開けた。



その中には、ゆらがいっぱいいたんだ。





ゆらと俺のたくさんの思い出。



それが、その箱に詰まってた。



たくさんの写真、たくさんのプレゼント用の箱、クリスマスツリー、ゆらが書いたメモ。



一つ一つ、大切そうにしまってあった。




写真に映る俺たち。


すげー幸せそうに笑ってた。



特にさ、俺の顔がさ、、


自分でもびっくりするくらい、幸せそうなんだ。



赤の他人が見てもわかる。



ゆらのことが大好きなんだって、


ゆらを愛してるんだって、



ひしひしと伝わってくるんだよ。




しかもこの俺が、こんなにマメに、これらを全部とっておいたなんてさ、、


まじで、、


気持ち悪いくらいだよ。




どんだけ好きなんだよ、ゆらのこと。



こんなに好きだったんなら、、


なんで、忘れちまったんだよ、、



バカだろ、、俺、、。



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