さよならだね。



まだダメなんだ、、。



何かがまだ足りないんだ。



いま戻っても、同じことを繰り返してしまう気がするんだ。





「何でだよ。そんなに好きなら、ゆらちゃんのこと離すなよ!」


「好きだから、離したんだ。ゆらが好きだから、だから離れた。」


「わかんねーよ、俺には。」





、、だよな。



俺だってわかんねーよ。



このやり方が正しいのか、間違ってるのか、俺にもわからない。



何が正解かなんて、わかるわけないんだ。





「記憶が戻るまで、ゆらちゃんのとこには戻らないのか?」


「かもな。」


「記憶はいつ戻るかわかんねーんだぞ?もしかしたら、一生戻らないかもしれない!そしたら、お前は一生ゆらちゃんと離ればなれだぞ?」


「記憶が戻るに越したことはない。でも、もし記憶が戻らなくても、俺自身が変われれば、俺はゆらのところに戻りたい。」





俺が、ゆらを泣かせない男になれたら。


ゆらを一生幸せにできる男になれたら。


ゆらを守っていける男になれたら。



そしたら俺は、ゆらを迎えに行く。





「バカだな、本当に。そのとき、ゆらちゃんが、もうお前のこと好きじゃなくなってたら?離れてる間に、本当に心まで離れたら、お前はどうする?」


「ははっ、それはきついな。でも、それがゆらの幸せなら、俺たちの運命なら、受け入れるしかないな。」


「受け入れられんのか?」


「いや、俺は一生引きずって、孤独に老いぼれてくだろうな。」




それが一番怖いんだよ。



もし、もし俺がゆらを迎えに行ったとき、


もうゆらは別の誰かを好きになってたら、


俺じゃない誰かを愛していたら、



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