さよならだね。

お祝いパーティー




「ゆら!優華!内定おめでとーう!」




美奈の大きな声と、クラッカーの音が鳴り響く。


びっくりして泣いちゃうんじゃないかと思った幸ちゃんは、キャッキャと喜んで笑っていた。





まだまだ残暑が厳しいけど、少し涼しい風も吹き始めた、そんな9月下旬。



あたしと優華は、無事に内定をもらうことができた!




今日は、そのお祝いをしようと、美奈の家に集まって、美奈がご馳走を作ってくれた。



おいしそうな料理達を前に、シャンパンで乾杯する。





「本当に良かった!ゆらも優華も、行きたい会社に入れて!」


「まあ、あたしは第二希望だったけどね〜。ゆらは第一希望でしょ?」


「うん!本当奇跡だよ〜。」




優華は、アメリカから日本に出て大人気になった、ランジェリーやルームウェアを手がけるブランドの、日本支社に内定が決まった。


日本支社でも、アメリカから呼ばれている社員さんもいて、社内での会話はほとんどが英語らしい。



あたしは、高校生のときから一番大好きだったファッションブランドをも手がける、大手アパレル企業に内定が決まった。



第一希望だったけど、あたしなんかが受かると思ってなくて、本当にびっくり。


面接では、緊張して噛みまくりだったし、本当に奇跡が起きたとしか思えない。





きっと、神様からのプレゼントなんだ。




愁くんと二度目のさよならをしてから、あたしは本当に一心不乱に就活に没頭した。



何かに打ち込んでないと、少しでも気を抜くと、すぐに涙が出てきちゃうから。



他のことを、何も考える暇がないほどに、就活だけに打ち込んできた。



きっと、神様がそのご褒美をくれたんだ。



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