さよならだね。



「二人ともすごいな〜。もう働く女って感じ!」


「まだまだだよ。ね?ゆら。」


「うん。それに美奈もすごいよ!もうすっかりお母さんだもん。」


「そうかな?あたしもまだまだだよ。たまに公園に散歩に行くんだけど、先輩ママさんがいっぱいいて、あたしももっと頑張んなきゃって思うの。」




いい顔してるなぁ、美奈。


幸ちゃんが産まれて、日を追うごとに、美奈の顔つきが素敵になっていく。





「素敵だね、美奈。なんか生き生きしてる。」


「そう?ふふふ。ありがと、ゆら。」


「ゆらは、目が死んでる。」


「えっ?」


「ちょっと、優華!」




いきなりの優華からの一言に、あたしは驚いてしまって、


美奈が、優華の腕を、びしっと叩いてた。



目が、、死んでる、、





「ゆら、いつまでそんな目してんの?」


「もう!優華やめなって!」


「止めないで!もう見てらんないの。」



美奈が必死に止めようとするけど、真剣な目をした優華が止まるはずがない。




「ゆら、自分で気づいてる?立花さんと別れてからのゆらの目、ずっと笑ってないよ。顔が笑ってても、目はずっと泣いてる。」


「そんなこと、、」


「ゆらの目には、何も映ってないみたいに見える。色がないんだよ、ゆらの目に。」




色がない、、か。



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