さよならだね。



「それが何?お互い様でしょ?そりゃ付き合ってれば、幸せなことだけじゃなくて、辛いことだってたくさんある。でも、その傷を癒せるのも、お互いだけなんじゃないの?」




優華の言葉が胸に刺さる。



本当にそうだ。


愁くんのせいでついた傷なのに、他の誰にも埋められなかった。


あたしの心の傷。


愁くんにしか、癒せないんだ。





「ゆらは優しすぎるんだよ。自分より、立花さんの幸せを考えちゃったんだよね。でもね?ゆら。自分一人幸せにできないのに、他の誰かを幸せにするなんて、できないんじゃない?」




美奈の言葉で、衝撃が走る。



そっか、、


そうだよね、、



あたしは自分が我慢することで、相手が幸せならそれでいいって思ってた。


でも、それで相手が幸せになるなんて、あたしの勝手な思い込み。


自己満足だったのかもしれない。




こんなちっぽけなあたし一人幸せにできないのに、誰か他の人を幸せにするなんて、自意識過剰もいいとこだ。


そんな力、あたしにあるわけない。





「好きなら、そばにいなきゃだめだよ。心まで離れちゃったらどうするの!」


「うん。そうだね、優華。」


「たまにはワガママになって良いんだよ。もっと自分を大事にしなきゃ。」


「うん。ありがと、美奈。」



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