さよならだね。
愁くんの姿を見てすぐ、前よりも痩せているような気がしたけど、実際に手を回してみて確信した。
男の人らしくて、細すぎず太すぎない、ほどよく筋肉がついていた愁くんの体が、、
確実に細くなっていた。
胸が、ぎゅっとしめつけられた。
もっと、早く来ればよかった。
「なんで、なんでいるの、、」
「ごめんね?急に。でも、愁くんに会って話がしたくて。」
ぎゅっと、抱きしめる腕に力を込める愁くん。
「会いたかった。ゆら。」
消えてしまいそうな、小さな声でそう呟いた愁くん。
暖かい何かが、あたしの肩に落ちた。
「愁くん、泣いてるの?」
それはまぎれもない、愁くんの涙。
静かにすすり泣く愁くんの声が、静かな部屋に響き渡る。
「あたしも、会いたかったよ。愁くんに、ずっと会いたかった。」
愁くんの背中をさする。
大丈夫だよ。
あたしはここにいるよ。
そう伝えたくて。