さよならだね。
「ゆら、、ゆら、、」
何度もあたしの名前を呼びながら、いつまでも腕を離そうとしない愁くん。
いつもあたしのこと引っ張ってくれて、あんなに頼りがいがあった愁くん。
だけどいまの愁くんは、すごく弱くて、もろくて、いまにも消えてしまいそうに小さく感じる。
「愁くん、大丈夫だよ。大丈夫だから。」
そんな愁くんを、必死に抱きしめる。
愁くんを、暖かくそっと包み込んであげたい。
しばらくして、やっと愁くんは落ち着いて、ゆっくりあたしから腕を離した。
涙に濡れる愁くんの顔。
こんな愁くん、初めてだ。
「愁くん、座って話そう?」
愁くんの手を引き、一緒にソファーに座る。
ずっとあたしを見てる愁くん。
でも、その目が悲しそうで、寂しそうで、すごく孤独な目だった。
「勝手に部屋入ってごめんね?それと、勝手に片付けちゃって、ごめん。」
「びっくりしたろ?汚くて。」
「うん、ちょっとびっくりしちゃった。」