さよならだね。
「あたしいつも愁くんの迎えを待ってるばっかりだった。だからね?今度は、あたしが迎えに来たよ。」
「迎え?」
「そうだよ。やっぱりあたしは、愁くんが大好きだよ。愁くんのそばにいたい。愁くんとずっと一緒にいたい。だから、あたしと付き合ってください。」
愁くんは、返事をするより先に、あたしを抱きしめる。
「愁くん?」
「本当に、俺で、いいの?」
あたしはそっと愁くんから離れ、愁くんの目を見て答える。
「愁くんがいいの。愁くんじゃないと、ダメなんだよ。」
「ゆら、、」
愁くんの頬に流れる涙を、私の手でぬぐう。
いつも、愁くんがしてくれたみたいに。
「泣かないで。」
「ゆらの、せいだからな。」
「ふふふ。あたしのせい?」
愁くんと微笑み合う。
久しぶりの愁くんの笑顔。
まだどこか弱々しいけど、やっぱり愁くんの笑顔が大好き。
あたしが、愁くんの笑顔を支えるからね。
「ごめんな。情けねーだろ?俺。自分で別れるって言ったのに、こんなんで。呆れた?」
「そんなことないよ。呆れたりするわけないでしょ?どんな愁くんも、大好きだもん。」