さよならだね。
「どんなに情けなくても、どんなにかっこ悪くても、そんな愁くんも全部大好き。これからは、全部見せて欲しい。もう、一人で悩まないで?」
「ん。」
「これからもっと辛くて、大変なことがあったとしても、二人一緒なら、きっと大丈夫だよ。愁くんがいてくれたら、あたしはそれだけで幸せだから。」
「俺もだよ。ゆらがいれば、それだけでいい。」
愁くんの顔が、そっと近づいてきて、優しく唇が触れる。
触れ合う唇から、愁くんの気持ちが痛いほど伝わってくる。
たくさんのごめんね。
それから、
たくさんのありがとう。
久しぶりのキスは、なんだか涙の味がした。
きっと、愁くんの涙だね。
唇が離れると、あたしは、また強く抱きしめられる。
「愁くん、苦しいよ。」
「ごめん。でも、ちょっと我慢して。」
ずっと、こうしていたい。
ずっと、愁くんの腕に包まれていたい。
温かくて、幸せを感じる。
自然と頬が緩む。
あたしの、一番ホッとする場所だ。