さよならだね。



「ねぇ、愁くん。」


「ん?」


「久しぶりに、一緒にプラネタリウム見ない?」


「いいよ。」




あたし達は、手をつないで寝室に行き、真っ暗な中でプラネタリウムをつけた。



部屋中に輝く、たくさんの星たち。



愁くんがいなくて、真っ暗闇にいたあたしを、いつも照らし続けてくれた。




いまこの部屋に輝く星は、全部あたし達だけのものだね。



この星たちが、あたし達を見守ってくれた。



一人ぼっちの真っ暗な道で、心が迷子にならないように、そっと照らしてくれてたんだ。





「綺麗だね。」


「そうだな。」


「やっと二人で見れた。毎日一人でベランダに出て、星空を見上げてたから。」


「俺もだよ。どうしてもゆらに会いたくて、寂しくてしょうがないときは、いつも星空見てた。そうすれば、ゆらと繋がってる気がした。」




やっぱり。


あたし達は、同じことばっかりしてたんだね。



なんだかちょっと笑えちゃう。



離れてても、あたし達の心が離れたことは、一度もなかったんだ。




逆に、今回の別れで、お互いにもっと好きになった。



お互いが、お互いじゃないとダメだって、心の底から感じた。



離れてる間は辛かったけど、でも、大事なことに気づけたから、これでよかったのかもしれない。



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