さよならだね。



あっという間に、救急隊員の手によって、愁くんは担架で救急車に運び込まれた。



あたしも慌てて救急車に乗り込む。




愁くんが3月に事故に遭ったこと、


そのとき頭に強いダメージを受けたこと、


記憶障害が残ったこと、



それを伝えると、そこが一番近い救急病院でもあるので、事故のときに入院してた病院に搬送されることになった。





「愁くん、、」



あたしは、救急車の中で、ずっと愁くんの手を握りしめていた。



でも、愁くんがその手を握り返してくれることはなかった。





やだよ、、


お願いだから目を開けて、、



もう二度と離れないって言ったでしょ?


あたしを一人にしないで、、



愁くん、、頑張って、、



神様、、どうか助けてください、、



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