さよならだね。



そのまま病室に運ばれ、ベッドに移された。




「何かありましたら、ナースコールをお願いします。」


「はい。」




看護師さんたちも出て行き、静まり返る病室。



機械の、ピッピッという音だけが響く。





「とりあえず、命に別状がなくてよかった。俺、何か飲み物買ってくるよ。」



そう言って、原口さんは病室を出て行った。




「ゆら?立花さんのそばにいてあげな?」



優華に支えられ、ベッド脇のイスに座った。





目の前で、静かに眠っている愁くん。



よかった、、。


本当によかった、、。


生きててくれて、ありがとう。



あたしは、自分の頬につたう涙をぬぐった。



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