さよならだね。
でも、安心したのもつかの間。
今度は、違う不安が、あたしの心を埋め尽くす。
もし、、
もし愁くんが目覚めたとき、、
また、あたしのことを忘れていたら、、
「そちらは、誰?」
そう言われてしまったら、、
「ゆら?どうかした?」
優華が心配そうに、あたしの顔をのぞき込む。
「ううん、ちょっと、怖くて。」
「また、立花さんの記憶がなくなるかもって、考えちゃったの?」
「うん。」
不安でまた泣きそうになるあたしの手を、優華がぎゅっと握った。
「大丈夫。きっと大丈夫だから。」
「そうかな?」
「そうだよ。それに、もしまた記憶がなくなっても、立花さんは、またゆらのことを好きになるよ?絶対。だから大丈夫。」
「そうだといいな。」
あたしが弱気なことばかり言うと、優華にいきなり背中をバシっと叩かれた。