さよならだね。
すぐに、中から優華が降りてくる。
「訳はあとで話すから、とりあえず乗って?立花さんは、大丈夫だから。」
「わかった。」
優華に手を引かれ、一緒に後部座席に乗り込む。
原口さんがすぐに車を出し、どこかへ向かった。
「ゆらちゃん、黙っててごめんね。今日俺が昼前くらいに病院行ったら、あいつ起きててさ。いろいろ検査してるとこだったんだ。それから、夕方頃に退院した。」
「なんで言ってくれなかったんですか?優華も。いま病院に言ったら、部屋がもぬけのからになってて、本当にびっくりして怖くて。看護師さんに聞いたら、退院されましたって言われて、あたし、、」
本当に怖かった。
不吉なことばっか考えちゃって、
うまく呼吸することさえできなかった。
あの一瞬で、寿命が縮まったんじゃないかってくらい、すごくびっくりして、、
「ごめんね、ゆら。急いだんだけど、ゆらの方が早く病院についちゃってて。でもね?これには訳があるの。」
「訳って?」
「いま向かってる。行けばわかるから。」