さよならだね。



優華はそれ以上答えてくれなかった。



原口さんに聞いても、もうすぐだから、としか言ってくれない。





何があるの?


訳ってなに?


どこに向かってるの?


愁くんは、いまどこにいるの?





早く、愁くんに会いたくてしょうがない。



愁くんは無事だって、自分の目で確認するまで、安心できないよ。



どんなに大丈夫だからって言われても、全然落ち着かない。



愁くんに会うまで、不安や怖さが消えてくれないんだよ。





「この道って、、」



しばらくすると、見覚えのある道であることに気づいた。



この先は、もうあそこしかない。



何度も通ったこの道。



愁くんとあたしの、思い出の場所。



あたしたちの大好きな、でも辛い思い出もある、あの場所。



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