さよならだね。



「えっ、あの、、」


「ごめんね。今日はここまでしか送れない。あと少し、ゆらちゃんが、自分の足で登って。」



そう言って、原口さんは、もう少しでいつもの高台のベンチってところで、車を止めた。




「ゆら、立花さんが待ってる。行っておいで。」


「うん。」



あたしが車を降りると、原口さんと優華は、来た道を引き返して行った。






あたしは、歩いた。



いつもの場所に向かって、一歩一歩、踏みしめるように歩いた。




本当は、急いで走って行きたい気もしたけど、



いままでの思い出を、一つ一つ思い出しながら、



愁くんと歩いてきた道を、



もう一度、


今度は一人で歩くように、



しっかりと、歩いた。





今日は愁くんと出会って、三度目のクリスマス。



愁くんと出会った春が、また近づいてきている。



< 430 / 444 >

この作品をシェア

pagetop