さよならだね。
「ケンさん。お久しぶりです。」
立花さんは、ケンさんというその人に挨拶をする。
「本当久々だよな。お前が全然顔出してくんねえから、」
「すいません。最近忙しくて。」
「冗談だよ。ん?こちらは?」
立花さんと話していたケンさんが、あたしのほうに目を向ける。
「ああ、この子は葉月ゆらちゃんです。」
「ふーん。初めまして。ゆらちゃん。」
「あっ、初めまして。」
あたしは慌ててペコっと頭を下げる。
「へー、可愛らしい子だな。今回は。」
「ははっ。なんすかそれ。」
そう言いながら、立花さんはどこか困ったように笑う。