さよならだね。




そして愁くんは、右手でそっと、あたしの左手を握った。




えっ、、

ちょっ、なにこれ、、、


あたしはその状況に焦りを隠せなかった。




「しゅっ、愁くん?」


「ん?」


「あのっ、手が、、」


「うん。このまま聞いて。」



さらっと真顔でそんなことを言う愁くん。



なにこの落ち着き、、

これが7歳の差なの、、?




慣れてないあたしは、手を握られてるだけでも恥ずかしくて恥ずかしくて、、

でも、真剣な愁くんの顔から、目が離せずにいた。





「好きなんだ。」


「えっ?」


「俺、ゆらちゃんのことが好きなんだ。」



、、ザザーン。


愁くんの驚くべき発言と、波の音が、あたしの耳にこだました。




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