さよならだね。




「ゆらちゃん?」


いつまでも黙り込むあたしを心配して、愁くんは私の顔をのぞき込む。



「ごっ、ごめんなさい。」


「えっ、、」



あたしはついに口を開き、はっきりと愁くんに伝える。




「愁くんにそんなこと言ってもらえてありがたいけど、でもあたしにはまだよくわかりません。
愁くんのこともよく知らないし、好きかどうかなんて、まだあたしにはわかりません。
愁くんだって、あたしのこと何も知らないでしょ?」



あたしは愁くんにそう聞く。


すると愁くんは少し黙って、静かに口を開く。





「たしかに。俺はゆらちゃんのこと、まだよく知らない。でも、一目惚れだったんだ。
一目見た瞬間、この子だ!って思った。自分でもよくわからない。
でも、好きなんだよ。本当に。」


「ごめ、、」



ごめんなさい。

もう一度そう言おうとしたとき、あたしはいきなり愁くんに抱きしめられていた。




あたしはもうパニック。




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